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すれちがう


オートバイ なんてひどい匂い さようならと 橋を渡り

遠い場所 気がつかずに 手を振った 利き手の右手

古い友達が 忘れていった手袋を はめたままで 春を迎えた

ずいぶん昔の ことのような 焦げた匂いが 続いている

選ばされて 指を差して 青いペンキ べとついたまま

よく揺れて 怒鳴られて ついた場所は 雨降りで

誰の姿も 見えないのに よく言ったな ようこそと

かもめさえ 鳴かずにいるのに お前がなぜ 笑っていられる

すれちがい というのも 思い誤り 水を飲んだから

どこにいく 晴れ渡る日 悲しいのに 壁という壁が

渡る橋の先 待っている 橋が落ちる前から そこにいる

毛むくじゃらの 女の子が 手を振って 泣いている

どこにいっても ここにきて ここで会っても どこも行かずに

すれちがうなら 今がいい ずっとひとりで 待たずにたたずむ

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