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飛行船

  • 執筆者の写真: Hiroshe Haseba
    Hiroshe Haseba
  • 2018年12月10日
  • 読了時間: 1分

ああもう見えなくなってしまった

レインコートを着たガードマン

こちらにどうぞ曲がってと案内をしてくれたのに

俺は止まりもしなかった

ラジオを止めもしなかった

あああれはなんて言うの

少しの痛み こめかみが震えて

唇が乾いて傷む 記憶 憶測 奥底の

流れ玉が もう嫌だって

もう一度だって サヨナラと手を振ることが

何度あった? 今まで

ああもう見えなくなってしまった

油膜が揺れて どうにかこうにか

やっとのことで空腹だ

ビールではない チーズと唐揚げではない

ましてやジャガイモも使わない料理とは?

方角も時間もあったものじゃない

花火が打ち上げられることもなく

新しい年 ただただ約束を守るためだけの

新品の手帳

見つけたのか 見つけられたのか

どこからどうやって来たのか

ただ顔だけはよく似ている

隣人のような、通りすがりのような

ちょうどよい無関心を決め込んだ顔で

にやにや笑っているオウムは

あまり喋らないから心配なく、と

管理人

 
 
 

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