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記念日

渡り鳥は群れだって月に向かい

南も北もどこもかしこも

過去の話ばかりだと嘆いている

もう今年が最後だとばかりに

すべてのパンを広場に撒いて

靴のことなど忘れてしまったら

とたんに傷の痛みも無くなった

さあ明日はずいぶん早起きだから

眠ろうとベッドがあった場所に

眠ろうとベッドがあった場所に


このままでいたら凍え死ぬ

その前にきっと夏がやってくる

先月から見えなくなった友が

今日はぼんやり背中だけ光らせている

飛行機に石を投げる子供たち

スカートを燃やされた女たち

女子供を皮ベルトで縛った男も

好きでやってやしないだろう

早く帰ってスープが飲みたいはず

早く帰ってスープが飲みたいはず


時間にすればほんの3時間ほど

それしかもう眠る時間はない

記念日が刻まれてゆく

ずいぶん小さな手形と一緒に

その日に死ぬはずの男は

お気に入りのシャツに着替え

やけに元気に食事を続けている

少し冷めてはいるがご馳走だ

少し冷めてはいるがご馳走だ


渡り鳥は群れだって海に向かい

最後に泳いだのはいつだったか

思い出しているようなふりをして

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