裏窓から覗く空き家の
がらんとした部屋にただ椅子があって
誰もいない部屋に誰も座っていない椅子だけがあって
そこを私は自分の居場所とした
少なくともこの雨が止むまでは
私は裏窓から私の居場所を確かめる
座布団もないささくれだった
木の椅子の座り心地を思う
もう誰もいなくなって久しい部屋の
埃臭い冷たさを感じる
ということを続けてみた
朝から晩までだ
雨は止むものか
私は二度と動くものか
濡れた地面でもかまわないから
座り込むか寝転んでしまいたいが
そうすると裏窓を覗くことができないから
私は立ち続けた
風邪など引くものか
眠りなど訪れるものか
終わりなどくるものか
私のためにある裏窓
私のためにある部屋と椅子
それを私は覗き続けている
朝から晩までだ
また再び朝になるかと
体を震わせながらぼんやり考えたが
いや、朝など来るものか
この夜を終わらせるものか
雨のせいで
絵の中の裏窓がにじみはじめている
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