再び、水が
床に、満ち
俺の、足が
臭う、朝だ
やあ、小鳥
よお、小蠅
特に、無い
思う、物は
忘れ、眠り
濡れ、溶け
消え、届け
思う、前に
飛び、落ち
黒い、鳥が
商売に出かける時間だ
スープの匂い
得体の知れない赤茶の煮くずれた豆
風はぬるく空は青暗く
唄と名前と時間と
どれを思い出す
ポケットを探れば
くしゃくしゃのティッシュと
折れた爪楊枝と
電話番号のメモ
番号など 数字などもうないのに
スープを作り待っていた
女が最後にひとりで食べた
その残りを朝に温めている男が
またドアを開け出てゆく時間だ
商売の時間だ
赤茶の豆を売りに出かける時間だ
再び、水が
引き、乾き、待ち
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